第68回NHK杯将棋トーナメントですごいことが起きている!
日曜の朝、将棋を見る人は驚いているだろう。
第68回のベスト4に上がった顔ぶれがすごいのだ。
以下参照
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190225-00010011-abema-soci
羽生九段、森内九段、郷田九段、丸山九段と、往年の将棋ファンならタイトル戦で何度も見てきた棋士がベスト4に一同に会した。
そしてこの4人、いわゆる羽生世代といわれる1970年度生まれの棋士たちだ。
1990年代~2000年代をリードしてきた彼らが勝ち残ってきたことに、往年の将棋は大興奮だ。
若手に押され気味だった近年
コンピュータ将棋が盛んになってから、将棋会の勢力図は変動してきた。
将棋の研究にコンピュータを取り入れることが一般的になってきており、活用の仕方により勝率に差が出るようになってきた。
同時に関西を中心として強い若手が台頭してきたこともあり、羽生世代は奮戦するもタイトル戦に登場することもめっきり減ってしまった。
以前はタイトル戦と言えば、羽生世代同士の戦いか、羽生世代の誰か1人は必ずといっていいほど登場していたのに、最近では羽生九段くらいしか出て来ないのではないか(羽生九段も減ってきたが)。
早指し棋戦だからさらに驚き
今回の結果でさらに驚きなのは、NHK杯が早指し棋戦だからだ。
時間に終われる早指しの将棋では、一般的に若手の方が有利とされている。
若手の方が頭の回転が早く、指された手に対して反射神経よく対応できるからであろう。
今回はそんな棋戦の中でも40代後半の世代が揃って台頭していることが凄い。
若手に押されているとはいえ、やはり地力がある棋士たちなのだと思い知らされる。
そういえば、この5年間の優勝者を見ると、郷田九段、森内九段、村山七段、佐藤九段、山崎八段と、中堅~ベテラン勢が並んでいる。
早指し棋戦=若手が有利
というのもあながちあてにならないのかもしれない。
若手に負けずに頑張る姿を応援したい
どの業界にも世代交代はあるもので、今後今回のようにベテランの同世代が揃って勝ち上がることはなかなかないだろう。
ただ、羽生世代もまだまだ若手には負けないという姿はとても印象に残った(別に彼らはそんな気持ちでやっているわけではないと思いますが)。
今の若手棋士の面々は好きだが(筆者は特に豊島二冠と斎藤王座が好き)、長年将棋を見てきた側からすると、羽生世代はどうしても贔屓目に見てしまう世代だ。
どうかこれからも大いに頑張ってもらい、以前のように若手の壁として立ちはだかってほしい。
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